2012_No.015_ムツ
ワタシ自身がそうであったように、このサカナが波止から釣れる、ということを知らなかった方も少ないのではないだろうか。 そんなサカナが、今年の15種類めである。 ムツ Scombrops boops である。 2月の愛媛県釣行の某波止で、胴突き仕掛けにアジの切り身をつけた探り釣りで釣れた20cm程度の若魚である。 ムツと言えば、当然、深いところにいる魚で、普通は船釣りの対象である。 ムツ針という強く先端が曲がったネムリ針に魚の切り身をつけて何百メートルという深いタナで釣る魚、というのが一般の印象である。 しかし、季節を問わず、幼魚から30cm程度くらいまでの若い個体は、なぜか岸寄りの浅場にやってくるため、波止釣りの外道として釣れることはあまり知られていないようである。 かくいうワタシも、一昨年に愛媛県の波止の際で釣ったことでそういうことを知ったのである。 (※おぼろげながら、幼い頃に、神奈川県の大磯港でサビキ釣りをしていたときに一匹だけ数センチのムツを釣ったことがあったような気がする) そういうわけで、愛媛県に行ったときには、そのうちまた釣れぬものかと密かに狙っていたのだが、今回、思いがけずに釣れたというわけである。 本当は、今年の初モノ、つまり一匹目は写真の個体ではないのだが、異様に痩せて貧相な個体であったため、アップは見送った。当然リリースしたし。 さて、このムツであるが、ワタシ自身は、イメージとして深海魚であるから、得体の知れぬエステルつまり油だらけでうまくない、あるいは腹を壊す、という感じであったのだが、このイメージは全く違う種類のバラムツのイメージであることがわかり、ムツ自身は極めて美味な魚である、ということだったのでお持ち帰りで食べてみることにした。 幸い、持って帰って食べることが可能な大きさであったので、オイシクいただくことができた。そのレポートは別の機会にさせていただこうと思う。 ちなみに、ワタシは、さっさとムツを釣って一目追加、ということになったのだが、なぜか相方のサオにはなかなかムツはかからなかったため、相方はひどくイラついていた。 納竿間際にようやく、念願のムツを釣り上げたのだが、その個体は、ワタシの釣った個体よりも大きく、まさに食べ頃。 いつの間にか、なぜだか、その食べ頃サイズのムツがワタシが釣ったモノ、という脳内での変換が行われてしまい、決してワザとではなかったのだが、ワタシが大きいサイズのムツを持ち帰ったのであった。 これからも、このサイズのムツが釣れたなら、持ち帰ろうと考えている。